あしたが変わるトリセツショー『洗顔』

 洗顔は、若々しくくすみのないお肌を保つために最も重要なポイントの一つです。
 先日NHKの番組『あしたが変わるトリセツショー』の中で「洗顔」のトリセツが放送されました。全面的に同意できるわけではありませんが、基本が抑えてあり、とても参考になります。
 以下のリンクからダウンロードできますので、ぜひ参考にしてみましょう。

「洗顔のトリセツ(取扱説明書)」ダウンロードはこちら
http://www.nhk.or.jp/program/torisetsu-show/2022_sengan.pdf

エステ等における脱毛トラブルについて

 暑い季節になり、肌の露出が増える時期になると、むだ毛の処理が気になりますね。特にコロナ禍で外出を控えるようになったせいか、時間的余裕のある時期に脱毛の施術を受けたいという方が増えています。それに伴って、脱毛エステをめぐるトラブルが急増しているとして、国民生活センターが注意喚起を行っています。
 同センターによると、脱毛エステをめぐるトラブルは年々増加傾向にあり、2021年度の相談件数は4106件と、2020年度より約1200件多かったとのことです。また昨年の4~6月は660件の相談があったが、今年は既に約3.1倍となる2053件の相談が集まっているといいます。21年度の相談件数は、10~20代が73.3%を占め、このうち女性が男性の約7.3倍に上ったとのことです。
 そもそも、厚生労働省は機器が医療用であるか否かを問わず、レーザー光線又はそのほかの強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛頭部、皮脂腺開口部などを破壊する行為は“医師法17条違反”であると通達を出しています。脱毛は医療行為になり、基本的にはエステサロンでの脱毛は違法行為として禁止されています。
 エステサロン等の広告をみると全身脱毛とは書いてありますが、永久脱毛とは書いてありません。その辺りが非常にグレーな部分と考えられます。

「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」厚生労働省通達
医政医発第105号 平成13年11月8日付 (一部抜粋)
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h15/documents/131109-a.pdf

スキンケア、過ぎたるは猶及ばざるが如し

 『過ぎたるは猶及ばざるが如し』言わずと知れた孔子の教えです。何事も中庸が大切であるということですね。日々診療を行っていてスキンケアにも同じことが言えると感じています。 ①落としすぎ②こすりすぎ③塗りすぎ です。

①そのクレンジング必要ですか?

 クレンジングは一般的にメイクを落とすために使います。メイクアップ商品のほとんどは油性の原料で作られているからです。クレンジングにもオイルやジェル、ミルクなどの種類があり、最近ではバームなどが流行っていますが、それぞれに特徴があり、メイクの程度に対して強すぎる洗浄力をもつものを使用すると、かえって肌に大切な皮脂や角質、潤い成分まで落としてしまう可能性もあります。
 化粧水と日焼け止め、または洗顔で落とせるはずのパウダーファンデーション程度しかしてないにも関わらず、必ずクレンジングを使用するといる方も見られます。ウォータプルーフの日焼け止めであればクレンジングを使用する意義はありますが、そうでない場合が多いように思います。
 また一方で、肌あれで悩む方の中には、肌荒れを隠すために、カバー力の高いファンデーションを使用し、それを落とすために強い洗浄力をもつクレンジングを使用して余計に肌を痛めてしまうという負のサイクルに陥っている方も多く見られます。
 クレンジングで毛穴ケアができる、などの考えもあることは承知していますが、何事もその方の肌質次第、行き過ぎたケアは禁物ということでしょうか。

②洗顔は手が肌に触れないように

 カウンセリングに来られた方の洗顔を見ていると、まるで汚れ物を洗うかのような洗顔の仕方をする方がいらっしゃいます。肌のよごれのほとんどは、水と油とタンパク質(汗と皮脂と角質)ですので、あくまで界面活性剤で落とすものです。泡をのっけてあげれば十分なんです。油でよごれた食器や皮脂で黄ばんだ洋服をゴシゴシこすっても汚れは落ちないばかりか、むしろ素材を痛めてしまうだけですね。肌と手の間に泡のクッションを作り、手が直接肌に触れないよう洗顔することを心掛けてみましょう。
 肌老化の8割は紫外線と言われていますが、残りの2割に占める摩擦の割合は決して少なくありません。

③必要なものを必要なだけ

 繰り返しになりますが、何事もほどほどが大切です。ファンデーションも日焼け止めも、それをおとすクレンジングや洗顔も、必要ないものはしないに越したことはありません。カバー力の高いファンデーションは、落とす時にお肌に負担がかかります。ウォータプルーフの日焼け止めも同様です。可能であれば、パウダーファンデーションに変えてみたり、日常の生活ではウォータープルーフでない日焼け止めを使用したり、落とす時のことを考えた、塗りすぎないスキンケアを心掛けてみてはいかがでしょうか。

スキンケアは引き算で

 肌質は人それぞれですのですべての人に当てはまるわけではありません。しかしながら、肌あれで悩んだ時、スキンケアに迷った時にはアイテムを増やすよりは、まず不要なものを減らしてみることを検討してはいかがでしょうか。
 

ルミガン🄬価格改定(値下げ)のお知らせ

 睫毛貧毛症に対する外用薬をこれまで海外製のものを使用しておりましたが、国際情勢の変化により入荷が困難になりました。今月より日本の製薬メーカー製造のものに切り替えています。円安によりこれまで割高であったものが、国内製造のものに切り替えることで納入価が以前より安く抑えられ値下げが実現しました。国内メーカー製造ですので安全性も高く、安心してご使用いただけます。
 ・ルミガン3ml 8,800円 ⇒ 6,600円(税込)

日焼け止め成分の安全性

 ようやく梅雨入りが発表されましたが、実は紫外線は5月から急増しており、梅雨の時期でも紫外線の量が減るわけではありません。特に肌の奥深くまで届くUVAは5月~8月が特に強い時期とされています。
 日焼け止めはこの季節に欠かせないアイテムですが、その成分は大きく『紫外線吸収剤』と『紫外線散乱剤』の2つに分類されます。その名の通り、紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱などのエネルギーに変換することで、紫外線から皮膚を守ります。一方紫外線散乱剤は酸化亜鉛や酸化チタンなどの金属酸化物からなり、皮膚の表面で物理的に紫外線を反射・散乱させて、皮膚を紫外線から守ります。
 近年、一般的に使用されている紫外線吸収剤が体内にも吸収されていることが明らかになり、その安全性が疑問視されています。2019年2月、米国食品医薬品局(FDA)は、承認済みの日焼け止め成分のうち、紫外線散乱剤の酸化亜鉛と酸化チタンを除く成分について、禁止もしくは追加の安全性試験データが必要と発表しています。
 ビューティフルスキンの日焼け止めは、日焼け止めの成分として安全性の高い紫外線散乱剤である酸化亜鉛と酸化チタンのみが配合されていますので安心して使用できます。
 外用が苦手な方や塗り直しが困難な方には飲む日焼け止めもおすすめです。

価格改定のお知らせ。

国際情勢の変化による、輸入価格の上昇に伴い7月1日からハイドロキノンとトレチノイン外用薬の価格を改定します。
 (現)ハイドロキノン4%10g 3,300円 → (新)3,600円
 (現)トレチノイン0.05%5g 1,650円 → (新)1,800円
大変心苦しいかぎりですが、ご理解のほどよろしくお願いします。

ロゼックスゲル®が酒さに対して保険適応されました。

 酒さで悩む患者さんは多くみられますが、これまで保険適応される外用薬がなかったため、他の外用薬を代用してみたり、保険適応されていない薬を使用したり、またクリニックで独自に調合した外用薬を使用したりするのが現状でした。
 今回、皮膚疾患医療用外用薬国内シェアNo1マルホのロゼックスゲル®が酒さに対し効能追加されました。
 治験の段階では、特に丘疹(ぶつぶつ)に効果があるようです。まだ知見の少ない外用薬ではありますが、保険が適応されたことで安心して使用していただけると思います。

原発性腋窩多汗症に新薬が発売されました。

 原発性腋窩多汗症とは、明らかな原因がないにもかかわらず、日常生活で困るほど過剰に脇汗がでる病気です。日本人ではおよそ20人に1人がかかる、決して珍しくはない疾患です。
 2022年5月23日原発性腋窩多汗症に対し、新薬ラピフォートワイプ®が発売されました。
 ラピフォートワイプ®は1日1回毎日の使用で、有効成分であるグリコピロニウムトシル酸塩水和物が、神経からの汗をだす指令をブロックすることで過剰な脇汗を抑え、日常生活の困りごとを減らすことが期待できます。
 9歳から使用できますが、新薬のため一度に2週間分の処方制限があります。

ドラッグストアで売られている制汗剤とラピフォートワイプ®の違い
目的有効成分製品の一例
医薬品発汗を抑える厚生労働省が医薬品として認可ラピフォートワイプ®など
医薬部外品発汗を防ぐ
(作用が緩やか)
厚生労働省が医薬部外品として認可制汗剤(スプレーやロールオン)
化粧品清潔にするなし汗拭きシートなど
※脇汗の対処に使用される製品の主な分類

ビューティフルスキン取り扱い始めました。

肌トラブルで悩む女性の声から生まれたビューティフルスキン。
皮膚科学に基づいた美肌理論①つけすぎない②こすらない③洗い過ぎない。
お肌が本当に必要としている成分だけを組み合わせて作られた化粧品だから、使うほどに違いを実感できます。
特にパウダーはお肌への負担が少なく、肌荒れ、敏感肌、酒さなどの肌トラブルに悩む方にもおすすめです。

※当院には化粧品検定1級取得者3名、スキンケアアドバイザー1名在籍しています。
お肌のトラブルやスキンケアでお悩みの方、お気軽にご相談ください。

【公式】ビューティフルスキン|肌にやさしいミネラルメイク&スキンケア (beautifulskin.jp)
料金案内 | ゆげクリニック (yuge-clinic.com)

酒さにおけるスキンケア

 コロナ禍においてマスクを着用する機会が増えているせいか、ここ数年お肌の悩みを訴える患者さんが増えている印象です。その中で赤ら顔を来す疾患に酒さ、酒さ様皮膚炎、脂漏性皮膚炎などありますが、実際には診断を付けること自体が難しく、また複数の疾患・要因が混在している状態もあるように感じます。
 原因や悪化因子も多種多様ありますが、酒さの治療においてスキンケアがまず基本となりますので、そこから見直してみましょう。

不安のあまり過剰なスキンケアを行っている方

 悪化した皮膚を隠すため、お化粧を過剰なまでにされている方がいらっしゃいます。その場合、お化粧を落とすのにクレンジングが必須になりますが、特にオイルクレンジングは界面活性剤を多く含むため結果としてお肌をさらに傷つけてしまう場合もあるようです。酒さのかたは、お肌が敏感になっていますので、普段より負担の少ないスキンケアを心掛けるべきと考えます。そのためには、まずクレンジングを必要としない程度のメイクにとどめるように心掛けましょう。洗顔だけでマイルドにケアをすることで、徐々にお肌の炎症が落ち着き、その結果お化粧も少なくて済むようになると期待されます。
 また、特に乾燥に対して強い不安感から、過剰なまでに保湿化粧品を使う方がいらっしゃいますが、接触性皮膚炎を起こしたり、油分の高いクリームなどを使いすぎてニキビを併発したりする方も見られます。酒さの方は、少なくともアトピー性皮膚炎のように強い乾燥を起こすことはありません。むしろ酒さの方の皮膚はとても敏感になっていますので、多少の乾燥を感じてもあまり不安にならず、なるべくシンプルなスキンケアを心掛けましょう。
 また、ヘパリン類似物質含有のクリームなどを使われている方もいらっしゃいますが、その血管を拡張させる作用でより赤ら顔が強くなったり、クリームの油分でニキビ様の丘疹を生じることがあります。できるだけ油分を多く含まない化粧水や乳液、保湿ジェルなどを使用する方が安全と考えます。

紫外線対策

 紫外線は酒さの主要な悪化因子とされています。日焼け止めを使用することが推奨されますが、日焼け止めはその効果を保つために3~4時間おきに塗りなおしが必要とされています。ただ、現実的にはお化粧をした場合、頻回に塗りなおしをすることは困難です。そこで白粉(おしろい)やパウダーファンデーションを使った紫外線防御がお勧めです。
 パウダー類はその形状自体が紫外線を反射させる効果があり、またその多くは酸化亜鉛と二酸化チタンの紫外線散乱剤を含みます。この2つはFDAが安全かつ有効な紫外線防御成分と認める、ただ2つの成分です。
 ちなみに紫外線散乱剤だけで作られた日焼け止め(ノンケミカル)もありますが、パウダーファンデーションは基本的に石鹸で落とせるため、傷んだお肌には特におすすめです。

※日焼け止めに関しては、ブログも参照ください。敏感肌のための日焼け止め選び | ゆげクリニック (yuge-clinic.com)

まとめ

・できるだけクレンジングを必要としないお化粧にとどめる。
・洗顔は洗浄力のマイルドなものを使用し、泡で洗う。
・シンプルなスキンケアに心掛ける。
・油分の高いクリームやワセリンは使用しない。
・セラミドやヒアルロン酸を含む化粧品で保湿を行う。※ブログ参照大人にきびの方のためにスキンケア | ゆげクリニック (yuge-clinic.com)
・紫外線対策にはパウダーファンデーションを使用する。