2021.01.22 /
ニキビ

ニキビってどんな病気?

 ニキビは毛穴がつまってできる病気です。毛穴には皮脂腺と呼ばれる皮脂を分泌する腺があります。皮脂を分泌することで通常皮膚を保護しているのですが、思春期になるとこの皮脂腺が大きく発達します。さらに性ホルモンの影響で皮脂が過剰に分泌されるようになり結果として毛穴をつめてしまいます。この状態をコメド(面皰:白ニキビまたは黒ニキビ)といい、コメドの内側でアクネ菌が増殖すると炎症を起こして赤ニキビ、さらに化膿して黄色ニキビになります。赤ニキビや黄色ニキビになると10個に1個は瘢痕(傷あと)になると言われていますので、できるだけ早期に治療を行うことが重要です。

ニキビ治療の今と昔

 以前は赤く膿んだニキビに対して抗生剤の内服と外用が中心の治療でしたが、赤いニキビだけを治療してもコメドがあると再発を繰り返します。ニキビが繰り返しできると、ニキビ跡に赤み(PIE:炎症後紅斑)が継続したり、PIH(色素沈着)を残したりすることがあります。したがってコメドの状態から適切にケアし、ニキビがゼロの状態を維持することが重要です。その状態を維持することで肌は徐々に生まれ変わりPIE、PIHのない綺麗な状態になります。
 最近では皮脂の排出をうながす薬、毛穴の角化を抑える薬、それらに加えて抗生剤を組み合わせた薬など、多種多様な薬が発売され治療戦略も大きく変化しています。ニキビ自体を作らせなくする治療またはニキビを再発させない治療(維持療法)が標準治療となってきているのです。

 また、いろんな薬を試したがニキビが治らないと来院される患者さんの中には、適切な外用薬を使っているが、その使い方が適切でない患者さんも多くみられます。当院では生活習慣の指導から外用の仕方までわかりやすく丁寧に説明し、本人に合った治療法を提案します。

内服薬

 肌の状態に合わせて、内服薬を選択します。
①抗生剤:赤ニキビや黄色ニキビが多数存在しているときには一時的に抗生剤の内服を検討します。ただし抗生剤は長期間使用することができませんので、あくまでも治療初期に補助的に使用します。
②ビタミン剤:計測器を使用して、肌の水分量、油分量などを測ります。脂性肌、乾燥肌、混合肌など、肌の状態に合わせてビタミン剤の内服をお勧めすることもあります。
③漢方薬:年齢や性別、女性の場合には生理周期との関係などを考慮して抗面皰作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗男性ホルモン作用などをもつ漢方薬を使い分けています。

ニキビ治療のオプション

 さらには自費治療にはなりますが、アゼライン酸やその他ニキビ対策化粧品、ケミカルピーリング、イオン導入、フォトフェイシャル、レーザーフェイシャルなどの治療も網羅し、あらゆる難治性のニキビにも対応できる体制を整えています。(詳しくは美容皮ふ科の案内をご参照ください)

 アゼライン酸は海外では昔からニキビの治療薬として使用されている成分ですが、日本ではあまり知られていません。海外では、医師が処方する医薬品として使用されている場合もありますが、日本では医療用医薬品としては認可されておらず、「化粧品の含有成分の1つ」という位置づけになっています。

 アゼライン酸は、もともと小麦やライ麦などの穀物や酵母などの天然由来のものに含まれる酸(飽和ジカルボン酸)であり、普段日常的に私たちが口にしているものに含まれています。そのような天然のものに含まれている成分であるため、肌に塗ったときの刺激感が少なく、妊娠中のニキビ治療にも使用が可能です

アゼライン酸の効果としては、
角化異常を抑制(古い角質が詰まり、角栓ができるのを抑制する)
抗菌活性
皮脂分泌を抑制
抗炎症作用
メラニン産生を抑制 など

があります。これらの作用を期待して、ニキビや酒さ(慢性的な赤み、ほてり)の治療にも用いられています。30年以上にわたり、世界各国でニキビ用医薬品として承認、使用されています。欧米のニキビのガイドラインでは、アゼライン酸による治療はセカンドラインでも推奨されていますが、日本では、皮膚科学会が策定している「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016」において、アゼライン酸による治療は、「推奨度:C1(面皰・炎症性皮疹に,アゼライン酸外用を選択肢の一つ として推奨する.但し,保険適用外であることに配慮す る必要がある)」とされています。副作用がなく比較的安全に使えることを考慮すると、アゼライン酸はニキビや酒さ(赤ら顔)に対して使用することは、有効であると思われます。

マスクと大人ニキビ

 コロナ禍の昨今、公共の場においては常にマスク装着が求められる状況にあります。そんな中、口の周りにポツポツと小さな膨らみを主訴に受診される方が増えています。肌あれ?と思い込みがちですが、実はでき始めの「ニキビ」尋常性痤瘡 (じんじょうせいざそう) かもしれません。ニキビは思春期特有の疾患と思われがちですが、最近はこうした「大人のニキビ」が増えており、20代30代ばかりでなく40代50代の方にもよく見られます。
 20歳以降に見られる「大人のニキビ」は、あごや口の周囲、フェイスラインにできやすいのが特徴です。(ブログ参照)

ニキビで悩む方へ

 ニキビはつぶしたり、放置したりすると凸凹とした瘢痕(傷あと)を残してしまうことがあります。一旦瘢痕となると、それを薄くするのにかなりの時間と経済的負担を生じます。
 ニキビがあることで自分の顔に自信が持てず、人前にでることをためらう方もいるかもしれません。ニキビでいじめの対象になった、学校に行けなくなったということも残念ながらたびたび耳にします。悩んでいてもニキビは治りません。以前と異なり、ニキビはコントロールできる病気です。大人の方ももちろん、いずれ治ると放置せず、まずは相談してみましょう。