2022.02.13 /
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎は「脂漏性湿疹」とも呼ばれていますが、あまりかゆみがないのが特徴です。皮脂の多い頭皮や髪の生え際、耳の後ろ、前頭部、鼻の周りに発生しやすく、女性よりも男性によく見られる疾患です。
脂漏性皮膚炎は乳児期に発症する乳児型と、思春期以降にみられる成人型に分類されます。
乳児型は生後2〜4週頃から頭部や顔面の脂漏部位に湿疹が出現し、生後8〜12ヵ月頃には徐々に自然治癒します。母体由来および児由来のアンドロゲン(男性ホルモン)の影響で皮脂の分泌が活発になることが原因とされています。
一方、成人型は20代~50代の男性に多くみられ、こちらもアンドロゲンが関連していると考えられます。また、成人型は慢性化する傾向が強く、中年以降に発症した場合はその傾向が顕著です。


症状
初期には、頭皮のフケが目立ったり、眉毛や小鼻周辺に赤みや肌荒れを生じたりしますが、かゆみが少ないので見過ごしされがちです。放置することで症状が進み、フケが大きくなり、かさぶたのようなかたまりになることもあります。
原因
はっきりとした原因はわかっていませんが、直接的な原因の一つとして皮脂の過剰分泌が挙げられます。皮脂の過剰分泌については、体質的要素や環境的要因、精神的ストレスなどが関係するとされています。
また、皮膚に常在するマラセチア菌が皮脂を栄養源とし皮脂に含まれるトリグリセリド(中性脂肪)を遊離脂肪酸に分解することが肌荒れの原因となるとも考えられています。
また、マラセチアはほぼすべての人の皮膚に存在する常在菌(カビの一種)ですが、環境の変化による皮脂成分や分泌量の変動、ビタミンB2やB6の代謝異常、入浴や洗顔の不足、ストレス、睡眠不足、ホルモンの乱れなどがマラセチアの増殖を促すと考えられています。
治療
乳児型の脂漏性皮膚炎の症状は、大抵は軽度で、適切な洗顔・スキンケアで改善することが多いようですが、浸出液が見られる場合には弱めのステロイド外用薬を使用します。
成人型の場合、症状の程度によって、炎症を抑えるステロイド外用剤やケトコナゾールが配合された抗真菌外用剤を使用します。成人型の場合、慢性化することが多いため症状が改善しても抗真菌外用薬を予防的に使用することも有効とされています。また、皮脂の代謝を助けたり、分泌をおさえるビタミンBの内服、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤などを併用することもあります。さらに難治性の場合には、皮膚の炎症やかゆみを抑える効果が期待できる漢方薬を検討します。
自由診療にはなりますが、アゼライン酸や抗真菌剤ミコナゾールを含有したシャンプー※を使用することもあります。
その他
・シャンプー後に髪が濡れたままにしておくと、頭皮で雑菌が繁殖しやすくなります。洗髪後には早めにドライヤーで髪を乾かすように心掛けましょう。
・顔や身体には化粧水・乳液・ボディークリームなどで適度な保湿を行いましょう。皮脂の過剰な分泌を抑えることが可能です。
・アルコール、香辛料などの刺激物、甘い食べ物、脂っこい食べ物などを摂取しすぎると皮脂過剰分泌の原因となります。バランスの良い食生活を心掛けましょう。
※抗真菌剤ミコナゾールを含有したシャンプーやボディソープのサンプルを用意しています。お気軽にお問い合わせください。