ED

 EDの定義は「性交時に十分な勃起やその維持ができずに、満足な性交が行えない状態」とされています。日本におけるEDの有病率は、完全型ED(常にできない)、中等症ED(しばしばできない)を合計すると1130万人(40代が20%前後、50代が40%前後、60代が60%前後)と高い有病率を示しています。また、男性不妊の原因の20.7%が勃起障害であることも判明してきました。
 原因は様々ありますが、本人、あるいはパートナーにとっても大事な問題です。持病等によっては使用できない場合もありますが、疲れたときの栄養ドリンクや足りない栄養素を補うサプリメントのように気軽にトライしてみてはどうでしょうか。

ED治療薬の比較

シルデナフィル(バイアグラ)|最も歴史があるED治療薬

 シルデナフィルはED治療薬として最初に認可された有効成分で、1999年バイアグラ🄬という商品名で発売されました。現在では各社からジェネリックが出ており、手頃な価格で利用できるのがメリットのひとつです。
 シルデナフィルは性交の1時間前に服用することとされています。服用から平均して1時間弱で血中の薬剤濃度が最も高くなり、服用から4時間程度で効果を失います。次の服用までに24時間以上あけることが必要です。食事の直後に服用すると薬の吸収が遅れ、効果が薄れる場合がありますので、なるべく空腹時に服用することが大切です。

バルデナフィル(レビトラ)|即効性が期待できる場合も

 バルデナフィルはシルデナフィルに次いで認可された有効成分で、レビトラ🄬という商品名で発売されました。
 バルデナフィルは性交の30分前の服用がお勧めです。水に溶けやすい性質上一番速効性があり、吸収が早い人は15分ほどで効果を発します。硬さが出やすいことも特長です。7~8時間程度効果が持続し、普通の食事は影響がないとされますので、急な入用にも対応可能です。

タダラフィル(シアリス)|作用時間が長いのが特徴

 タダラフィルは現在のところ最も新しく認可された有効成分で、シアリス🄬という商品名で発売されました。2020年に入り複数の会社からジェネリックが発売され、手頃な価格で利用できるようになってきています。
 タダラフィルは作用時間の面で他の2つと大きく異なります。血中濃度が最大になるのは2時間後くらいで、1日半(36時間)程度は作用が続きます。他の2剤に比べて、ほてり等の血管拡張作用に伴う副作用が軽いのも特徴です。
シデナフィルやバルデナフィルは、ある程度正確に服用のタイミングを見計らう必要がありますが、タダラフィルは予定にかなり幅を持たせることが可能です。金曜日の夕方に服用すれば、週末効果が持続すると考えてもよいでしょう。また、タダラフィルは食事の影響を最も受けにくいとされており、その点でも使いやすい治療薬です。ただし、グレープフルーツジュースは薬の作用を増幅して副作用を強める危険がありますので注意が必要です。

ED治療薬を使えない方

①狭心症や心筋梗塞などの持病があり硝酸薬(ニトログリセリンなど)を飲んでいる方
②低血圧(<90/50mmHg)や高血圧(>170/100)
③肝酵素(AST,ALT)が200を超えるような方
④6ヶ月以内に脳卒中を起こした方
⑤3ヶ月以内に心筋梗塞を起こした方  など

ED治療薬比較表
  バイアグラ
シルデナフィル錠
レビトラ
バルデナフィル錠
シアリス
タダラフィル錠
特徴 世界で一番最初に開発されたED治療薬。世界的に最も有名で安心感がある。 一番速効性があり、吸収が早い人は15分ほどで効く。
硬さが出やすいことも特長。
ED治療薬シェア世界一
他剤と比べてマイルドな効き目。
緩やかに長時間作用する
ほてり等の副作用が軽い。
作用時間 4時間程度 7~8時間 36時間程度
服用方法 性行為1時間前
空腹時は30分程度で作用
性行為30分前
空腹時は20分程度で作用
性行為2時間前
食事の影響

食事の併用で効果半減の可能性あり。
食前30分前の服用がお勧め

食事の影響は受け難いが条件あり。
食前30分前の服用がお勧め
食事の影響は最も受け難いが条件あり。
食前2時間前の服用がお勧め
お酒との併用 飲み過ぎは、血圧低下に伴うめまい又は血流が良くなることでお酒が回りやすくなるので注意。