2021.01.22 /
足の病気

偏平足、外反母趾、巻き爪、タコ、ウオノメ

 日本では足科または足病科というのはほとんど知られていませんが、欧米諸国ではほかの科と同じくらい普通に存在します。それらの国で は室内でも靴を履いて生活し、自分の足にあわせて靴を作成する文化であったことが関係しているかもしれません。

偏平足、外反母趾

 足には3つのアーチ(ふくらみ)があり、内側と外側に縦アーチ、足の前方に横アーチがあります。このアーチには重要な役割があり、それぞれが、前後方向、左右方向、回転方向へ姿勢を制御する役割を担い、さらには、着地時に足かかる衝撃を吸収する役割も担っています。
 縦のアーチが崩れた状態を偏平足といい、さらに横のアーチが崩れると開帳足と呼ばれるようになります。歳を重ねるごとに靴の横幅が広くなるのは横アーチが下がってきているからかもしれません。横幅が広がることで結果として外反母趾や内反小趾を来します。これら以外にも、足の形が崩れることで巻き爪やタコ、ウオノメなどさまざまな疾患の原因となり、足の疲れや、さらには膝や股関節の痛みにつながることもあります。体表面積のたった2%程度の足が全体重を支えているわけですから当然と言えば当然です。
 老化は足からと言われるように、足を大切にしないとひいては全身の健康にも影響を及ぼしかねません。生活習慣の見直し、インソール(靴の中敷き)の作成、足の体操などの指導も行います。

巻き爪、陥入爪

原因

 巻き爪と陥入爪は厳密には異なる概念です。
 爪はもともと湾曲する方に力がかかっていますが、立ったり、歩いたりすることで下から荷重を受け、それにより均衡が保たれています。しかしながら、寝たきりで歩かなくなった方や偏平足、開帳足等により下から趾に荷重がかかりにくくなった方は爪が湾曲する傾向にあります。
そのほかに爪の水虫などさまざまな原因によって爪が湾曲し、爪の側面が周囲の皮膚に食い込んで痛みや炎症を生じるのが巻き爪です。
 それに対して、深爪をしすぎたり、サイズの合わない靴を履いたり、急激な体重の増加、スポーツ等による過度な負担によって爪の側面や前面が周囲の皮膚に食い込んだものが陥入爪です。

治療
  1. 炎症が激しい時には一時的に抗生剤や痛み止めの内服を行います。さらに局所を清潔に保ち、外用剤を使用することでまずは炎症を抑えていきます。食い込んだ爪をカットする方をよく見かけますが、爪をカットすることで、一時的には症状も改善するものの、その部分に皮膚が盛り上がってきて、そこにまた爪が食い込むという悪循環を来してしまいがちです。
    炎症が落ち着いたら必要に応じて②弾性ワイヤー法による保存的加療、または③手術による治療を検討します。
  2. 前者は形状記憶の金属を使用し、爪に穴をあけワイヤーを通し、湾曲した爪を広げる方法です。爪に穴をあけるだけですので、処置に対する痛みはありません。処置後すぐに爪の食い込みによる痛みから解放されます。湾曲した爪を徐々に広げていきますので、1~2か月おきに数回ワイヤーの入れ替えが必要です。特に日常生活における制限はなく、入浴も通常通り行えます。保健適応外の治療になります。
  3. 手術は局所麻酔下に日帰りで行います。湾曲の程度により手術方法は異なりますが、10分~20分程度の手術です。出血を予防するため当日は包帯を巻いて帰宅しますが、翌日からは創部を含めて入浴が可能で基本的に自宅にて軟膏処置を行います。
    保険が適応されますので、安心して治療が受けられます。
その他

 巻き爪は爪の水虫を併発していることが往々にしてありますので、その場合検査および内服または外用治療を平行して行います。爪の切り方などの指導も行います。
 また、前述したように巻き爪は偏平足や開帳足など足の変形が大きく関与していることもありますので、必要に応じてインソール(靴の中敷き)の作成や足の体操などの指導も行います。

タコ、ウオノメ

  1. 硬くなった皮ふを削ること、または
  2. 専用のテープにて固くなった皮ふを柔らかくすることが主な治療ですが、それだけではその多くが再発します。

 巻き爪、タコ、ウオノメなどは別個の疾患と考えられがちですが、突き詰めれば足の形や足の変形(偏平足、外反母趾など)に起因することがほとんどです。局所のみの治療を行っても、立って歩く生活をする以上、必ず再発を繰り返しますので根本的な原因を突き止めて対処することが大切です。
生活習慣の改善、インソール(靴の中敷き)の作成、足の体操などの指導も行います。