2024.05.17 /
耳の変形

埋没耳

 埋没耳は、耳の上の部分が皮膚の中に埋もれてしまっている状態です。軟骨が変形しているため、指で引っぱると出てきますが、離すと元に戻ってしまいます。聴力には問題がないことが多いですが、見た目の問題以外にもマスクや眼鏡をかけにくいことが日常の生活において支障となります。400人に1人程度に見られる比較的多い変形です。
 1歳頃までの耳の軟骨が軟らかい時期は矯正治療が可能ですが、変形の程度や状態によっては矯正が難しい場合もあります。その場合、小学校に入る前の5、6歳ころに手術を行うことが多いです。

副耳

 副耳は耳の前にイボのような突起があるもので、80人に1人程度にみられる変形です。皮膚のみではなく軟骨を含むことが多く,耳に近い場合には副耳と耳の軟骨同士が深いところでつながっていることもあります。
 小さいものは根元を糸でしばって取ることもありますが、軟骨を含むものは不完全に隆起が残ることがあり、皮下の軟骨を含めて切除してきれいに縫合する(切除術)ことをお薦めします。

たち耳

 耳を正面から見たときに横に広がって見える状態のことを指します。医学的には、耳と側頭部の角度が30度以上ある場合を立ち耳と言います。生まれつき耳の軟骨(対耳輪)の盛り上がりが小さく、折れ曲がりが弱いことが原因として考えられます。正面から見たときに耳が大きく見える。眼鏡やマスクが外れやすい。ヘルメット等を被ると痛みが出やすい。といったことが問題となります。
 耳介後面から皮膚を切開し、軟骨を露出させてメスや糸を使用して軟骨(対耳輪)の矯正を行います。手術後は軟骨の盛り上がりを癖付けするために1週間程度ボルスター固定(ガーゼ等を丸めたもの)を行います。手術の翌日からはシャワーが可能ですので、日常の生活に大きな支障はありません。

その他

 小耳症、耳垂裂、耳前瘻孔など