2021.01.22 /
バネ指・腱鞘炎

ばね指
原因

 指を曲げる腱や腱の周囲の腱鞘が指の付け根で炎症を起こすことにより生じます。その結果、腱が動きにくくなり、以下のような症状を来します。

症状

 朝が特に症状が強く、指の曲げ伸ばしで痛みを感じたり、ひっかかり(クリック)を生じたりすることがあります。使い始めると(温まると)徐々に症状が改善するという特徴があります。症状が進むと反対の手で動かさないと指の曲げ伸ばしが困難になることもあります。

治療法
  1. 初期の段階ではできるだけ安静にし、痛み止めの内服や外用等にて炎症を抑える治療を行います。しかしながら実際には手を安静に保つことは日常生活を送る上で必ずしも現実的ではありません。
  2. 上記治療で症状が改善がしない場合には、麻酔薬とステロイドを混ぜた炎症を抑える注射を局所に行います。一般的に1か月程度の効果がありますので、その間に症状が改善される方も多くみられます。ただし、糖尿病がある方にはステロイドの注射は適応が難しく、また同じ部位に何度も注射を繰り返すことで腱が菲薄化することもありますので、数回注射を行って改善が得られない場合には手術を検討した方がよいと考えます。
  3. 注射で症状が改善しない場合には手術を検討します。手術は局所麻酔下に日帰りで行い、およそ10分程度です。当日は出血を抑えるため包帯を巻きますが、翌日からは創部も含めて手洗いが可能です。自宅にて絆創膏等にて保護を行い、抜糸は10日前後で行います。根治的な治療ですので、最初から手術を選択される方も多くいらっしゃいます。手術後は痛みもほとんどありませんので、仕事や日常の生活に支障なく手術が受けられます。
注意点

 バネ指は症状が出始めてから長期間放置すると、手術を行っても痛みや第2関節の伸展障害が残ることがあります。早めの受診をお勧めします。