2021.01.22 /
ヘルペス、帯状疱疹

分類

 一般的には、口唇ヘルペスや性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルス(HSV)と、帯状疱疹を引き起こす水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の2種類を「ヘルペス」と呼ぶことが多いです。しかし、実際にはHSVとVZVは別のウイルスであり、治療法も異なります。

単純ヘルペスウイルス

特徴

 ヘルペスは1型と2型に分かれます。1型は口唇とその周囲に、2型は性器とその周囲に発症します。疲労や風邪、紫外線などのストレスにより小さい水ぶくれを頻回に繰り返す特徴があります。病変部を直接触れることにより他の人にうつしてしまうこともありますので注意が必要です。症状が出ているときはウイルスの量も多く、特に新生児、パートナー、アトピー性皮膚炎の方、免疫力の低下している人との接触には注意が必要です。    
 以前は小さいうちにほとんどの人が家族内で1型ヘルペスに感染していましたが、核家族化や衛生状態の変化によって20~30代の世代は約半分しか抗体を持っていないと言われています。

症状

 水ぶくれが現れるのに先立ち、皮膚にピリピリ、チクチクなどの違和感、ほてり、痛みなどを感じることがあります。再発を繰り返している人は自分でわかることが多いようです。

治療

 抗ウイルス薬の内服、外用を行います。

水痘・帯状疱疹ウイルス

特徴

 神経痛様の痛みやぴりぴりとした違和感が先行し、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが、体の半分(片側)にのみ帯状に現れます。この症状に由来して帯状疱疹と名付けられています。痛みが先行するため、患者さんの中には『腰の痛みに湿布を貼っていたらかぶれた・・』といって来られる方が多くみられます。
 帯状疱疹は身体の中に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが疲労やストレス、加齢などが引き金となって再び活動を始めることにより発症します。日本人の成人ではおよそ9割がこのウイルスを体内に持っていると考えられており、水ぼうそうにかかったことがある人であれば誰でもなりうる病気です。
 帯状疱疹の発症率は、50歳代から高くなり、患者の約7割が50歳以上です。

症状

 ピリピリ、チクチクとする痛みやかゆみ、ひりひりとする皮膚の違和感を感じ、その後赤い斑点と小さな発疹を生じます。強い痛みを伴うようになり、症状は3~4週間程度続きます。
 治療が遅れると、水泡が消失した後も、強い痛みが残る後遺症(PHN:帯状疱疹後神経痛)に移行することもありますので注意が必要です。さらに問題なのはPHN以外にも帯状疱疹は多くの合併症を起こすことがあります。中枢神経系では脳髄膜炎、脊髄炎、血管系では脳血管障害、末梢神経系では運動神経麻痺、眼科系では眼瞼結膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎、網膜炎、耳鼻科系では耳鳴、目眩、顔面神経麻痺などです。しかもこれらの合併症は一旦起きてしまうときわめて難治性です。

検査

 血液検査や顕微鏡で巨細胞を検出する検査、抗原検査などがあります。

治療

 抗ウイルス薬の内服、痛みを抑える鎮痛薬などを中心に行います。部位や症状に応じて外用剤も併用します。

その他

 周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません。しかしながらそのウイルスに対する免疫を保有していない方には感染する可能性があり、その場合、水ぼうそうを発症します。

予防接種

 50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。弱毒化した生ワクチンと不活化ワクチンがあり、後者の方が発症予防効果が高く、効果持続も長いのですが、2回接種が必要であり、費用もやや高めです。一方前者は免疫抑制剤を使用されている方など接種できない方もいらっしゃいますので、予防に関する詳細は医師にご確認ください。