2023.11.25 /
アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法とは

 スギ花粉症は、スギ花粉が原因となっておこるアレルギー疾患です。一方通年性アレルギー性鼻炎は、ダニ、カビ、虫、ペットの毛などが原因となり、季節に関係なく症状を来す疾患で、どちらも、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を伴います。
 このうち、スギ花粉症と通年性アレルギー性鼻炎に治療のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。アレルギーの原因となるアレルゲンを少量から投与し続けることで、身体を徐々にアレルゲンに対して慣らしていき、アレルギー症状を緩和したり、アレルギー自体を克服することも期待できる治療です。

治療の流れ

問診と検査

 アレルギー性鼻炎かその他の疾患かを判断するために、症状が出る時期やその程度、アレルギーの既往の有無などを問診します。
 その結果に応じて、皮膚反応テスト、血清抗体検査、鼻鏡検査、鼻汁検査などを行います。
 アレルゲン免疫療法は、原因となるアレルゲンを用いて行う治療法ですので、原因となるアレルゲンを特定する確定診断が必須になります。

治療法

 現在行われているアレルゲン免疫療法には「皮下免疫療法」や「舌下免疫療法」がありますが、舌下免疫療法が登場したことで、自宅での治療が可能となりました。
 舌下免疫療法は、舌の裏側に薬を一定時間保持した後に飲み込む治療法です。アレルゲンを投与する治療法ですので、アレルギー反応が起こる可能性がまれにあることから、初回は医師のもと(病院で)で服用します。2回目以降は自宅での服用が可能です。初めは少量から開始し、徐々にアレルゲンの量を増やして一定量のアレルゲンを長期間投与します。
 治療は3年以上継続することが推奨されており、3~5年続けることで、長期にわたり症状を抑えるまたは克服する可能性のある治療法です。