2021.01.22 /
やけど

やけど(熱傷)とは

 やけどは医学的には熱傷と呼ばれるけがの一種です。高温の気体・液体・固体などに触れることで、皮膚や粘膜が損傷を受けることを指します。程度を問わなければ、日常生活においてもっとも多いけがの一つです。

種類

 一般的に高温のものに触れることでやけどを起こしてしまうと思いがちですが、皮膚の障害の程度は接触する熱源の温度と接触時間によって決まります。非常に高温のものであれば短時間の接触でもやけどになる一方で、44℃~50℃程度の低温のものでも長時間接触しているとやけどを起こすことがあり、これを低温熱傷と呼びます。その他、特殊な熱傷として電流(落雷や高圧線など)による電撃傷や薬品(酸やアルカリ溶液など)による化学損傷(熱傷)があり、凍傷もやけどの一つです。

深達度分類

Ⅰ度熱傷
 皮膚が赤くなり、ひりひりします。夏の日焼けもⅠ度のやけどです。数日以内に改善します。
Ⅱ度熱傷
 浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)深達性Ⅱ度熱傷(DDB)に分類されます。
 SDBは損傷を受けてから24時間以内に、紅色の水疱ができます。痛みを伴うのが特徴で、創面はピンク色の皮膚色を呈します。2週間以内に上皮化し、傷跡が残ることはありません。
 DDBは真皮の深くまで損傷されますので、知覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなります。創面は白っぽい皮膚色を呈します。傷が閉鎖するまでには3週間以上かかり完治後も瘢痕が残ります。
Ⅲ度熱傷
 創面が壊死した組織に覆われ、皮膚は白色または黄褐色、黒色になります。知覚は完全になくなり、痛みを感じることはありません。多くの場合は植皮手術が必要になります。

治療法


 やけどもけがの一つですので基本的な治療はけがの場合と同じです。ただし、熱による組織の変性は初期の段階では判断が難しいため、一般的な傷よりもより専門的な知識が必要になります。特に薬品による化学損傷(熱傷)、湯たんぽやカイロ等による低温熱傷では最初の状態からは想像がつかないほど深く進行することもあり注意が必要です。
 また初期の段階では浅いやけどでも傷口がこすれたり、感染を来したりすることでより深いやけどに進行してしまうことが多々ありますので、特に初期の段階での治療が重要になります。
 DDB以上の深さのやけどになると、一般的に手術が必要になります。

 やけどの面積によっては命にかかわることもあり、適切な治療が行われないと傷あとを残すばかりでなく、傷のひきつれや将来的に皮膚がんを生じることもあります。できるだけ早く専門医の診察を受けることが重要です。当院では宮崎に数名しかいない熱傷専門医が診察しますので安心して治療が受けられます。