2026.09.12 / 院長ブログ
GLP-1作動薬(マンジャロ)を使用したダイエットについて
マンジャロは「美容のための痩せ薬」ではありません
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、GIP/GLP-1受容体作動薬です。日本では、2型糖尿病の治療薬として承認されているほか、チルゼパチド製剤には、一定の条件を満たす肥満症に対する治療薬として承認されているものもあります。
一方で、適応となる条件を満たさない人が、単に「痩せたい」「美容目的で体重を減らしたい」といった理由で安易に使用することには、注意が必要です。特に、医学的な必要性や適応を十分に検討せず、美容・痩身・ダイエット目的で使用することは、適切な医療とはいえず、健康上のリスクを伴う可能性があります。
厚生労働省も、美容・痩身・ダイエットなどを目的としたGLP-1受容体作動薬等の安易な使用について注意喚起を行っています。

主なデメリット
- 吐き気・嘔吐・下痢・重度の消化器障害
- 筋肉も一緒に減る可能性
- 胆石・胆嚢炎
- 急性膵炎
- 便秘
- 低血糖
- 薬をやめるとリバウンドしやすい
- 食事量が減りすぎることによる栄養不足
特に重要なの3つの問題
①「痩せる=脂肪だけが減る」ではなく筋肉・骨格筋も減る
②食欲がなくなる=健康的に痩せる」とは限らず、低栄養・便秘・脱水などが起こる
③薬をやめればダイエット終了」ではなく、食欲が戻ってする可能性がある
筋肉が落ちるとその分代謝が落ちます。結果として薬をやめるとより痩せにくい体になります。そのため、GLP-1を使うなら、「体重を何kg落とすか」だけでなく、「筋肉をどれだけ維持して脂肪を落とすか」が非常に重要です。
マンジャロを“美容目的”で使用する前に
マンジャロは、食欲を抑えたり胃腸の働きに作用したりすることで体重減少をもたらします。しかし、必要な栄養まで摂れなくなれば、筋肉量の低下や低栄養などにつながる可能性があります。また、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの副作用だけでなく、重篤な副作用が起こることもあります。
「体重を減らすこと」だけを目的に、安易に使用することはおすすめできません。
厚生労働省も「痩せる薬」として安易に使用しないよう注意喚起しています。さらに、マンジャロの個人間売買やSNSを介した違法流通についても問題視されています。本当に薬が必要な状態なのか、現在の体重・BMI・健康状態・既往歴などを確認したうえで、医師と十分に相談して使用することが大切です。
※美容目的で安易に使用する人が増えることで、医薬品の需要が増加し、必要な患者さんに薬が届きにくくなっている現状があります。患者さんからの問い合わせ・要望を受けておりますが、さまざまな観点から当院ではマンジャロは扱っていません。