2021.05.16 / 院長ブログ
腋窩多汗症治療薬

 5月11日に南九州地方の梅雨入りが発表されました。統計史上2番目に早い梅雨入りとのことです。ここ数日急に蒸し暑く感じるようになってきましたが、この時期わき汗で悩む方が多く来院されます。

 多汗症の原因となる汗はエクリン汗腺から分泌されます。エクリン汗腺は交感神経により調節されており、アセチルコリンがエクリン汗腺のムスカリン受容体サブタイプ3(M3)を刺激することにより発汗を誘発すると考えられています。

 エクロックゲル🄬は日本初の保険適用の原発性腋窩多汗症用外用剤で、昨年11月に承認されました。本剤の有効成分であるソフピロニウム臭化物は、エクリン汗腺に発現するムスカリン受容体サブタイプ3(M3)に結合し、発汗シグナル伝達を阻害することにより、1日1回、両腋窩への塗布でわき汗の減少が期待できます。

 エクロックゲルは原発性腋窩多汗症の方が適応となり、原発性腋窩多汗症の診断基準は以下の6項目のうち2項目以上あてはまること、また明らかな原因のないまま6ヶ月以上症状が続いていることとなります

・最初に症状がでたのが25歳以下
・左右でおなじように発汗がみられる
・睡眠中は発汗が止まっている
・1週間に1回以上多汗の症状がある
・家族にも同じ疾患の患者さんがいる
・脇汗によって日常生活に支障をきたしている

また多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)
下記の3や4にあてはまる方が対象です。

スコア1 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障が無い
スコア2 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
スコア3 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
スコア4 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

上記に当てはまる方は保険が適応され、1日1回の使用で効果が期待できますので、お気軽にお問い合わせください。

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